天保六年(一八三五年)に善応空胎惟阿上人によって造られた石塔とされています。石塔には、「経王一字一石供養塔」と刻まれており、高さ130㎝、幅70㎝、厚さ35㎝の自然石を用いた文字塔で、善応空胎惟阿上人の神鈴峯開山の思いが感じられます。
仏教の信仰形態の一つに「写経」があります。経文を心をこめて写すという行為によって功徳を得ようとするもので、在家の信者もこれを行うことによって祈願または供養の目的を果たすことができるという古来からの信仰習俗です。
本来の写経は、紙または布に書写するものでありますが、その経文を長く記しとどめるため経文を石または瓦に記すという風習が生まれたと思われ、その内でも小石に一字ずつ経文を書写して地に埋め石塔を立てたものが一字一石供養塔と伝えられています。